それぞれの立場から考えよう
投資家としての立場
みなさんは投資家としての立場から以下の2つの企業だとどちらに投資したいだろうか。
企業 | 利益 | 環境 | 社会 | 企業統治 |
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企業A | 特大 | まったく配慮せず | 地域活動なし | 新聞に載るような問題を起こす |
企業B | 微小 | 次世代エネルギーへ投資 | 海岸のごみ拾いを主催 | 過去に問題を起こしたことが無い |
短期的には企業Aへ投資する方も多いとは思うが、私は企業Bへ積極的に投資をしたい。
みなさんはいかがだろうか。
投資機関や個人投資家は企業BのようなESGに配慮できている企業への投資へシフトしている。
理由は様々あるが、企業Aは体質を変えないと市場で生き残れないことを投資家たちは知っているからだ。
消費者としての立場
消費者は、悪いイメージを持っている企業の商品を購入することは無い。
年代 | 企業 | 内容 |
---|---|---|
2007年頃 | 不二家 | 賞味期限問題が発覚。後に山崎製パンの子会社へ |
2014年頃 | 日本マクドナルド | 異物混入により赤字347億円を計上 |
2018年頃 | 日産自動車 | カルロスゴーン逮捕。赤字3299億円を計上 |
上記は一例ではあるが、一度、消費者に悪いイメージを持たれると復活は容易ではない。
(不二家やマクドナルドの株価はそんなに打撃を受けた印象が無いが、日産は60%以上も下がっている)
私は未だに不二家のケーキ売り場を見ると、当時を思い出すし、マクドナルドと聞いただけで、腐ったフライドチキンの映像を思い出す。
売り上げが戻った企業もある中で、低迷し続けている企業があるなど、その結末は様々ではある。
しかし、いずれにしても一度でも問題を起こしてしまうと次は無い。
企業は常に襟を正して経済活動を行うべきなのだ。
従業員、就活生としての立場
もちろん問題を起こした企業には従業員がいる。
多くの従業員には問題が無いことが多い。
直接関係ないにせよ、社会問題が大きければ大きいほど、従業員のモチベーションが下がってしまうことは想像に容易い。
誰も社会から後ろ指を指されながら働きたいとは思わない。
企業統治が利かない企業で働くより、健全な企業で働きたい。
社会のために汗を流したいと思う人が圧倒的に多いハズなのだ。
企業側も業績低迷により早期退職を募ることになる。
結果、問題を起こした企業からは優秀な人材がいなくなる。
会社にしがみついておくことしかできない従業員が残る。
そうなると、すぐに業績を戻すことも難しい。
就活生もそれは同じだろう。
20年はコロナの影響で就職氷河期となったが、それでもESGに積極的に取り組んでいる企業に応募が殺到している。
逆に、そのアピールが不十分な企業は人気がない。
若者は自分たちが主役になる数十年後を見据えているのだ。
自分たちが地球環境を守ろうという意識がとても高いのが、今の20代の意識なのである。
企業はどうすればいいか
ESGの潮流に乗れないと、優秀な人材は集まらない。
そして、大きなビジネスチャンスも見逃すこととなる。
今、グローバルで環境(特に脱炭素)の議論が本格化している。
そういった次世代エネルギーや新素材などのニーズをとらえられるかどうかがカギになる。
コロナ禍で世の中の仕組みが変わった。
企業は今までのビジネスモデルを捨てないといけない。