働きたい続けたい会社とは
終身雇用の崩壊
就職希望者が就職先に何を望むか調査したところ、安定性や知名度よりも自身が成長できる環境が用意されているかが重要視されるようになった。
会社の規模にとらわれず、自身のキャリア形成に目を向けはじめている。
1つの会社でキャリア形成するよりも、複数の会社でキャリアを積む方がよいと考える人も増えている。
特に若手社員には、その趣向が強く、リクルートキャリアの調査では、09~13年の転職率から3.82倍に伸びたというデータもある。
会社が社員へ与えられるもの
会社は「業務」と「報酬」しか与えられていない。
本来は「学ぶ機会」や「やりがい」も同時に与えることができると理想的だと思う。
平成の代名詞となった、「失われた30年」の間は企業は成果を出すことを優先し、人にフォーカスをあててこなかった。
結果、組織は硬直した。
新しい技術は生まれなくなった。
日本は技術で他国から後れを取った。
人にフォーカスする
人間のモチベーションという数値化できないものに対して会社は積極的に取り組んでこなかった。
研修や書籍などでも「モチベーションは重要ではない」との考え方を教えるのが一般的だ。
私はそこに疑問を感じている。
「経済成長は人あってこそ」であり、主役は機械やAIではなく人間なのである。
企業は「社員に生産性を高める」ことを期待しているが、そのためには「気持ちよく働いてもらう環境づくり」は欠かせないだろう。
これからの組織化
ヒエラルキー型組織の限界
「組織化」と聞いて、思い浮かべるのがピラミッドの形をしたヒエラルキー型組織であろう。
多くの企業は社長をトップに常務、部長、課長、係長などのビラミッド構成で経営している。

そこには上司からの指示があり、部下からの報告の関係性がある。
つまり、言うことを聞かないといけないという息苦しさを感じるわけである。
新常態!ティール型組織
ティール型組織は、自分で考え、自分で行動し、自分で発信する。
組織はフラットに形成され、上司部下という関係ではない。
機能的に役割をもったチームで構成される。
上司からの明確な達成目標や指示はない。

想像してみてほしい。
そんな組織で運用できるだろうか。
課題は何だ?
まずはお互いの強い信頼が必要になる。
「あいつはちゃんとやっているのか?」などの疑念を持っていると成り立たない。
もちろん、自分自身にも高い目標を設定して、常に強い責任感で行動しないといけない。
まとめ
ティール型組織への移行は企業にとって急務だ。
社員にとって「息苦しさ」を感じないティール型組織にはメリットがある。
しかし、ティール型組織では社員にも覚悟を求める。
成果を出さないといけない。
テレワークが進むなか、同時に「ジョブ型」という雇用形態も推進されている。
ジョブ型への移行とティール型組織への移行を社員の了解(覚悟)を確認しながら進めていく必要はあるだろう。