はじめに
夢のマイホームおめでとうございます!
新築戸建てに宅内LANを検討している方のなかには「まとめてねット」を導入しようと検討されている方もいると思います。
まとめてねットは宅内LANを構築するにはとても便利なものではありますが、工事のまえに1つだけ注意しなければならないことがあります。
「なぜ工事のまえなのか」、「確認しないとどういう失敗をするのか」を次の章で細かく説明します。
そんなに難しいことではありません。
最後まで読んでもらえるとうれしいです。
失敗しないように備えて、快適ネット環境を整えましょう!
まとめてねットの工事の前に確認するポイント
重要!LANケーブルのカテゴリーを確認
ご自宅の壁のなかに配線するLANケーブルのカテゴリーを確認しておくことが重要です。
カテゴリーについては以降で詳しく解説するぞ!
ひとまずカテゴリーを確認しないといけないことだけ覚えておこうな!
なぜLANケーブルのカテゴリーを確認するのか
後で取り換えができない
工事の方法にもよるのかもしれないのですが、原則配線した後はLANケーブルを入れ替えることはできません。
建築しながら配線工事をしていくからです。
要所要所でタッカーで止められるため、完成した後にLANケーブルを引っ張ってもビクともしません。
よって、このあと20年~40年は、ずっと同じLANケーブルを使用することになります。
ここはとても重要なポイントになります。
そっかー。
一度配線したLANケーブルは交換できなくなるのか。
しっかりしたLANケーブルを入れておきたいな。
40年間、同じLANケーブルを使い続けたらダメなの?
もちろん、現時点では全く問題になりません。
問題になるのは、わずか数年後(2030年ごろ)だと考えておきましょう。
何が問題になるかというと、「耐久年数」ではありません。
(LANケーブルの耐久年数は一般に20年~30年で、実際には40年程度持つとも言われています)
耐久年数よりもっと深刻な問題です。
せっかく配線した宅内LANが使い物にならなくなる可能性があるのです。
えー!
たった数年で使えなくなるってどういうこと!
なぜまとめてねットが使い物にならなくなるのか?
いつもは意識せずに使っているLANケーブルですが、実はLANケーブルには性能差が存在します。
しかも、その性能差は決して小さくなく、通信速度に大きな影響を与えるものです。
ここで、「もし低速用のLANケーブルを配線してしまったら・・・。」とお考えいただきたいです。
どうでしょうか?ぞっとしませんでしたか。
つまり、数年後、世界は大きく変化していて、大容量の通信が当たり前になったとします。
しかし、一度配線してしまったLANケーブルは交換できないので、ご自宅のLANは現在の速度が上限のままになります。
結果、LANにつながない方が(無線LANの方が)高速通信できるようになり、すぐに使わなくなるという恐れがあるということです。
そっかー。技術の進歩はすさまじいな・・・。
高速通信ができるLANケーブルを採用しておきたいな。
わかった!ではカテゴリーとはなに?
カテゴリーが前述の性能を示すものとなります。
まずは下表をご覧ください。(CATはカテゴリーの頭文字です)
プロバイダー契約プラン | 対応するLANケーブル |
---|---|
100Mbps(メガプラン) | CAT.5 |
1Gbps(ギガプラン) | CAT.5e / CAT.6 |
10Gbps(10ギガプラン) | CAT.6A / CAT.7 |
40Gbps | CAT.8 |
現在広く普及している一般的なLANケーブルのカテゴリーはCAT.5e (通信速度=1Gbps)になります。
CAT.5だとプロバイダーは1ギガの通信速度を出しているのに、LANケーブルが低速にしてしまうので「あれ?」と感じるハズです。
逆にCAT.6AやCAT.7をつないでもプロバイダーが出している速度が1ギガなので、それより早くなることはありません。
CAT.5eはとても安価ではありますが、すでに市場はCAT.6に切り替わっていますので家電量販店では見る機会が減っています。
つまりプロバイダーとの契約サービスに合わせてLANを選ばないといけないということ
2010年ごろから光インターネットが普及して、現在では多くのご家庭では「ギガ」と名前の付くサービスを使っていることと思います。
ここでアンテナを高くしておいてほしいことは、すでに各プロバイダーでは「10ギガ」と名前が付いたサービスを開始しているということです。
どのLANケーブルにすればいいの?
ずばりおススメはCAT.8です
上述したとおり、2021年の主流はまだまだ1ギガタイプです。
よって、まとめてねットも1ギガに対応したものを、みなさんは選択していることと思われます。
プロバイダーは1ギガタイプ ー まとめてねットは1ギガ用 ー LANケーブルはCAT.5e (1ギガ用)を選択するのが、2021年時点ではベストな選択です。
主流の速度が出力できることに加えて、リーズナブルに設置することができるためです。
ですが、もう一度前述したことを思い出してください。
宅内LANの配線はもう二度と交換できません。(リフォームする機会まではチャンスはありません)
なにより技術が進歩するスピードは今までの比ではありません。
現時点で世の中に存在している最速のLANケーブルを採用しておくことが、最も賢い選択になると言えます。
それが2021年時点ではCAT.8になります。
40ギガを必要とする時代がやってくるの?
私は40ギガが普及する可能性は十分にあると思います。
理由は以下の3点です。
①CAT.8のLANケーブルは家電量販店で普通に手に入るから(ただし、ほとんどはCAT.6、CAT.7です)
②5G(第5世代)の通信速度が10ギガ~20ギガであることを考えると、すでにCAT.7でも対応できない
③すでに6G(第6世代)の実用化に向けて、各国で覇権争いが始まっている
日本経済新聞 2021年9月17日 2:00 記事より
自宅でそんな高速通信が必要になるの?
私は必要になる時代がやってくると思います。
2030年には人々の生活スタイルは今とは異なり、家に居ながら旅行を楽しむ時代になっていると思われます。
通信速度の向上はVRやARといった技術が飛躍的に進歩することを助長します。
たとえば、家の壁紙がすべてディスプレイに置き換わり、旅をしたいデータをストリーミング再生することで旅の気分を味わえます。
(すでに一部の企業は採用しており、一般家庭に普及するのは時間の問題です)
費用対効果
ここで難しいのは「そこまで未来に投資する必要があるか」です。
CAT.8はとても高価です。CAT.5eと比べると倍くらいするかもしれません。
どのくらいの長さを何本配線するかによって差額は大きくなります。
見積もりを取ってみて許容できる速度まで下げるのは、ひとつの選択肢かもしれません。
家の大きさによってはCAT.8はおススメできません!
CAT.8の伝送距離は30m(メートル)と言われています。
もし今から建てる新居が大邸宅の場合は通信ができません。
一般的な4人家族の場合の延床面積=120m2(平米)くらいが目安となりますので、30m(メートル)もあればなんとか問題ないかと思います。
ただし、どのように配線するか、どこにまとめてねットを置くか、で変わってくると思いますので、業者へ確認しておくのが良いかと思います。
業者に任せておくとCAT.5eが配線される可能性が!
ここで一番言いたかったことが、業者に任せてしまった結果、CAT.5eを配線してしまった!という失敗です。
以下の図をご覧ください。
まとめてねットの施工説明書に記載されている内容となります。
記載されているとおり、配線するのはCAT.5eでも良いということになります。
業者はできるだけコストを抑えたいでしょうから、一番単価の安いCAT.5eを選択して配線する可能性があるということです。
しかも、説明書に書いてあるとおりですし、現時点では何も問題が無いため文句を言うこともできません。
もちろん家が引き渡されたあとで交換することもできません。
というわけで、家を建てる場合にはLANのカテゴリーについても、しっかり業者さんと認識合わせを行い、こちらの要望をしっかり伝えておきましょう。
【補足情報】
まとめてねットの詳細
まとめてねットとはルーターとLANケーブルとマルチメディアコンセントの簡単な構成
まとめてねットはとても簡単な構成です。
ルーターとLANケーブルとマルチメディアコンセントのみで構成されます。
ルーターのことをまとめてねットと呼ぶことが多いと思います。
販売しているパナソニックとしても、「家を建てるときに宅内配線はしている」ことを前提にしているのでLANは管轄外のようです。
【参考】構成イメージと見積もり例
LANの配線
LANの配線はパナソニックに言っても対応してもらえません。
LANは家を建てる際に配線しなければなりません。
あとで言っても対応できません。
LANは一切見えないのできれいな家になります。
まとめてねットの配置はとても大事
まとめてねットを配置する部屋を決める際、できるだけ家の中心に配置するのが良いと思います。
ただし、寝室とはできるだけ離した方がいいかもしれません。(機器の音が気になって寝られないかも)
いずれにしても、Wi-Fiが全室に届くようにするのがベストではありますが、寝室などの近くになりそうであればモデムの音が気にならないかどうかはリスクとして考えましょう。
場合によっては以下のような対応策が取れるかもしれません。
LANケーブルのカテゴリの見分け方
今回は、宅内に配線するならCAT.8をおススメしましたが、マルチメディアコンセントから通信機器までの間をつなぐLANケーブルはCAT.6、7で良いと思います。
交換できるので手に入りづらいCAT.8をわざわざ選択する必要は無いということです。(40ギガのサービスが無いですし・・・)
今お使いのLANケーブルの見分け方を以下にまとめました。
まとめてねットだけをギガタイプに交換したい
ギガタイプが普及する前に導入したまとめてねットをギガ対応に交換したい場合、もちろん交換してもいいのですが高価な機器なのでリーズナブルに対応したのはこちらになります。
費用は1500円くらいだったと思います。